クーリエ・ジャポン主催 六本木ヒルズライブラリートーク
昨日は上記題名の講演会に行ってきました。
講師は津田大介さん。

今、まさに旬のIT(特にツイッター)ジャーナリストです。
最初の自己紹介でありましたが、もともとは音楽関連のライターを
されていたとの事。10年ほど前に出会った「ナップスター」と呼ばれる
ファイル交換ソフトに衝撃を受けて、この道に進んだとのことです。
講義の内容は「日米比較」を中心に
音楽ソフト業界
米国事情
とにかくパッケージソフト(CD)は本当に売れない。もはやアルバムと言う名前は死語の世界になりつつある。
iTunesがすべてを変えてしまった。現在はAMAZON MP3が追い上げている。
マドンナやプリンスなどに代表されるように、
もはや楽曲からの収入ではなく、
「コンサートツアー」から収入を得る、
と言う形に変化しています。
マドンナはいわゆるプロダクションとの契約を切り、イベント会社と
巨額の契約をしているそうです。
新曲を無料ダウンロードさせ、ムードを盛り上げたところでツアーに出る。
チケットは高額化し、グッズは超低原価商品です。従来のレコード会社の役割は
1、新人アーティストの発掘機能
2、レコード製作のためのファイナンス援助機能
3、作品のプロモーション機能でしたが、ネットをうまく利用したセルフ・プロデュースに取って代わられつつある。
一方日本ですが、
確かにCDは売れなくなっている(98年がピーク6000億円→08年 3000億円)。
半減です。
ただ、アメリカほど深刻な事態にはなっていない。
それは
日本には世界にない独特の音楽文化があるから。レンタル・レコードです。TSUTAYAを代表するCDレンタル、これは他国にはない。
CDを一枚300円で借りて、PCにリッピングをしてiPod に流し込む。

もうひとつはガラパゴス携帯向けの特殊な需要
「着うた」および「着うたフル」この売り上げがCDの売れなさをカバーしている。
金額は約1000億円ですが、粗利益が全く違う。日本の音楽配信の90%はこの二つで上がる。

と言うことで、世界の中でもまだ日本はダウンロード文化がそれほど大きくなっていない。
現在の音楽シーンは
「CD不況」であって、「音楽不況」ではない。さて、これからと言うことに関しては、
やはり、ネット配信が主流となることは確実で、CD文化もわずか30年で
幕を閉じることになりそうです。
かつての栄華を誇った日本のレコード会社は縮小の一途です。
東芝EMI(現在はEMI)は大量解雇と
新しい音楽ビジネスモデルを模索して苦戦中。
上記のレコード会社の三つの機能は
これまでにない、非常にゆるい組織(タスクフォース型)に変化をして
いくのだな、と私は感じました。
レコード → CD → MD →iPod →? CDの登場は1981年。わずか30年で音楽メディアとして衰退していきそうです。
全く想像を絶するスピードの動きです。
私のiPadには曲数にすると約5000曲の音楽が入っています。
今日は何を聞こうかな?と言って朝にCD,MD選びをしていたのが
既に過去の文化です。すべてを持って歩ける(写真・動画も同じです)。
目端が利き、ネット、ソーシャル・ネットをうまく利用する者が
次の世代の音楽シーンの覇者となる、そんな感想を持ちました。

レコードには独特のよさがあるんですけどねぇ。絶滅危惧種の趣味です(T_T)。
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